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2020年に向け多種多様な電子決済が登場

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年が近づき、今後ます
ます多くの訪日外国人に商品やサービスを提供する状況が予想されます。
このような中、店舗やシステム事業者が協力し、電子決済システムを導入する
準備が始まっています。
2016年10月、米大手IT企業がスマホ(スマートフォン)アプリによる電子決済
サービスを日本で導入したのをきっかけにして、日本の決済サービスは一気に
多様化しました。
競合の米IT企業や、勢いを増してきた中国IT企業が新たなサービスを展開する
状況下で、日本でも新決済サービスが普及し始めています。

■スマホ決済が続々と登場

店舗での買い物で、財布を出すことなく、スマホアプリだけで決済できる
サービスが始まっています。大手ネット通販会社やITベンチャー企業、銀行と
IT企業との協働など、様々な事業者が参入しています。

ユーザーは無料アプリを導入し、クレジットカード情報をあらかじめ登録して
おくと、スマホを店舗に設置したタブレットPCなどの端末にかざすだけで決済
が完了します。サインやレシート、つり銭もなくなるので、支払いが非常に
スマートになりました。
さらに、このシステムはユーザーにだけメリットがあるのではありません。
店舗側でも、注文管理・予約管理・在庫管理システムとの連携がスムーズ
になり業務の効率化を図れたり、マーケティングのためのデータ収集ができた
りといった、従来の現金やクレジットカード決済ではできなかったことが可能
になります。また、ユーザーが使う支払いアプリが、セール情報など店舗の
キャンペーン告知に使えたり、アプリのバージョンアップによるサービス拡張
が容易にできたりといった端末のアプリならではのメリットがあります。
また、このサービスでは、特別な機器ではなく一般的なタブレットPCを使用
するため、システム導入時のコストを抑えることができるのも魅力です。

■非接触ICカードは「FeliCa」や国際規格「Type A/B」が決済に利用

日本で普及している非接触型ICカードシステム「FeliCa(フェリカ)」は、
交通機関の乗車券や電子マネーカードなどで馴染み深いものです。
このタイプの電子決済カードが現在、日本の電子決済方式の大多数となっています。

一方、ISO/IEC 14443で標準化されている非接触ICカード国際規格「Type A/B」
は、現状では対応店舗がほとんどありませんが、今後広がりを見せる可能性が
出てきています。
昨年5月、経済産業省の検討会が、クレジットカードの不正使用を防ぐため、
ICチップ付きカードに対応した読み取り端末の導入を加盟店に義務づける方針
を発表しました。2018年の義務化を目指すとしています。これを受けて、
カード決済に未対応の店舗などの多くが、早急に接触ICやTypeA/B決済に対応
していくことが予想されています。

Type Aはオランダ電機メーカーで開発されたカードシステムで、世界に広く
普及しています。CPU搭載タイプとメモリーのみの低コスト生産可能なタイプ
があり、低コストタイプはICテレフォンカードで普及しました。平成13年に
施行された「電子署名及び認証業務に関する法律」で定められた特定認証業務
の認定制度に基づき、日本での認定を受けている電子認証サービスで、納税
システムなどの幅広い電子行政サービスに対応しています。
それに対し、Type Bは米通信機器・半導体メーカーが開発したカードシステム
です。CPU搭載が必須でセキュリティレベルが高いため、日本では住基カードや
IC運転免許証、多くの銀行キャッシュカードで使われています。

この2つのシステムについて、関連製品やサービスの準備が進んでおり、
すでに店舗にType A/Bにも対応する非接触IC決済端末導入に動いている
コンビニチェーンや、クレジットカード会社、大手ネット通販会社が出てきて
います。Type A/B決済を実現させるためには、端末設置などの店舗側システム
改修を要するため、実動にはまだ時間がかかる予想ですが、実現の可能性は
十分にあります。

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リオ五輪では、Type A/B対応チップが埋め込まれた指輪型ウエアラブル端末に
よる決済がトライアル的に実施されていました。また、掌紋の登録と認証を
含む決済も開発され、実験段階に入っています。より安全かつスムーズに決済
できる技術が実用化される日も遠くないことでしょう。

(2017/03/17)

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