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東京五輪へ向け、再びモバイル決済先進国へ

日本は「おサイフケータイ」や「モバイルSuica」など、世界的に見てもモバイル決済
の先進国でした。ところが、海外から来る旅行客にとって日本は「モバイル決済後進国」
です。モバイル決済の日本の現状をご紹介します。

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■現在のモバイル決済大国といえば“中国”

2004年に「おサイフケータイ」、2006年に「モバイルSuica」と、モバイル決済をいち
早く導入したのは他でもない日本でした。しかし「使える店舗が限られる」、
「クレジットカード方式の決済と比べてメリットが感じられない」などの理由で
なかなか普及率は伸びず、現在ではモバイル決済大国といえば、お隣の中国です。

日本銀行が行った2017年のレポートでは、日本でのモバイル決済利用率は6.0%。
対して中国大手メディアの発表によると中国でのモバイル決済利用率は98.3%と
なっています。中国都市部では1元(約17円)の饅頭を買うのにも、大多数の人が
スマートフォンを使って支払いを行うそうです。

訪日する観光客の中にも、日本で毎回現金を出さなければならないのを、面倒だと
感じる人が少なくありません。日本では現金主義が根強いですが、観光大国を目指す
ためには、モバイル決済の普及は必須の課題です。

■観光大国に向けて普及が求められる

外国人観光客にとって、海外でのモバイル決済には多くのメリットがあります。
モバイル決済が利用できると、現金を持ち歩いたり、ホテルに保管したりする必要が
なくなります。空港で両替の列にも並ばなくて済みます。また日本語が上手に聞き取れ
なかったり、日本の通貨を使い慣れていなかったりしても、スマートフォンをかざす
だけで決済ができるので、安心して買い物を楽しめます。

このようにモバイル決済のできる環境が日本で普及することは、外国人観光客の日本に
対する満足度にも大きく影響します。特に2020年には東京オリンピックが開催され、
多くのゲストが海外から訪れるため、早急な対応が求められます。

■求められる世界スタンダードなインフラ整備

モバイル決済が日本で普及するために、技術的な問題はほとんどありません。
求められているのは、世界スタンダードなインフラ整備です。

モバイル決済のために利用されるのはNFC(Near Field radio Communication)、
日本語では近距離無線通信と呼ばれるシステムです。NFCの中でも国際的に広く使われて
いるのはTypeA/Bという規格です。ただし日本で普及しているのは、ほとんど国内でしか
使われていないFeliCa(フェリカ)という規格。利用している周波数は同じですが、
読み取りの機械と端末の仕様が異なるため、FeliCa専用の読み取り端末はTypeA/Bには
流用できません。そのため海外から訪れる観光客がモバイル決済を利用するためには、
TypeA/Bに対応したインフラ整備が必要となります。

すでにインフラ整備に各業界は動き始めており、ある日本大手ファストフード店は
2017年から2018年にかけて段階的に、日本全国の店舗でTypeA/Bを利用したモバイル決済
も利用可能になります。

また最先端の技術開発も進められています。例えば、一般的な読み取り端末の通信可能
距離は約10cmと短く、いわゆる“タッチ”するという動作が必要ですが、大手企業と
鉄道会社が共同で試作した改札機では、利用者がスマートフォンやICカードをかざす
必要もなく、カバンに入れたままで改札を通過できます。
この「タッチレスゲート」は、新たに開発したアンテナを改札口上方に設置し、指向性の
高い電磁波を照射して“ゾーン”を作成。対応端末がこのゾーンに入った瞬間に、高速で
データの送受信を行うことができるので、タッチが不要になるのです。

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東京五輪に向けて、また世界の観光大国を目指す日本で、モバイル決済のためのインフラ
整備は欠かすことのできない課題です。現状の問題を解決するだけでなく、最先端の
技術を活かして世界をリードしていくことが期待されます。

(2017/11/17)

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