社会福祉法人邦寿会様 導入事例

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介護・福祉サービス

  • [介護(MELFARE)]

特別養護老人ホームの移転に伴い、介護ソフトを含めたIT環境を再整備し、安全で働きやすい職場環境を構築

社会福祉法人邦寿会様 会社概要

サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が設立し、2021年に創立100周年を迎える社会福祉法人邦寿会。同会が運営する高殿苑は、大阪市内最初の特別養護老人ホームとして1974年に設立されました。同会は、2005年に株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)の介護・福祉総合ITソリューション「MELFARE(メルフェア)」を導入し、介護、就業、財務のソフトを利用してきました。2017年4月の高殿苑の移転にあたり、新施設のサーバー構築、セキュリティー強化、無線LANの導入、業務ソフトを含めたIT環境の整備をパートナーのMBとともに遂行。安全で働きやすい職場環境が実現するとともに、施設利用者へのサービス強化を実現しました。

導入背景

特別養護老人ホームの施設移転に伴いIT環境の再整備を検討

社会福祉法人 邦寿会
高殿苑 施設長
岡田 智之 氏

 社会福祉法人邦寿会は、1921年にサントリーの創業者で初代理事長の鳥井信治郎氏が、社会奉仕への強い信念のもと、大阪市愛隣地区に無料の今宮診療院を開設したことから始まりました。以来、鳥井氏の経営哲学である「利益三分主義」を掲げて、診療院や保育所の運営を続けてきました。
 1974年に大阪市で初となる特別養護老人ホーム「高殿苑」を開設し、その翌年には高殿苑と同じ敷地内に「つぼみ保育園」を開園。高殿苑とつぼみ保育園の間では、施設入居者と園児がコミュニケーションを取り合う「幼老交流」が行われています。高殿苑施設長の岡田智之氏は「同一の敷地建物で幼老交流を実施している施設は全国的にも珍しいとされています。施設入居者と園児は、お茶会、運動会、豆まきなどの行事を一緒に楽しんだり、園児が毎朝、入居者のもとを挨拶に訪れたりするなど、多くの交流を図っています。それらが入居者と園児の双方に好影響を及ぼし、施設全体が温かい雰囲気に包まれています」と語ります。
 業務を支えるITシステムは、高殿苑が開設した1974年当時から三菱電機のオフコンを使ってきましたが、2000年に介護保険法が施行されたことを機にC/S型のパッケージに移行。2005年にMBの介護・福祉総合ITソリューション「MELFARE」の介護ソフト「ほのぼの」と就業管理ソフト「たんぽぽ」を導入しました。その理由について岡田氏は「MBのこれまでのサポート対応と、『ほのぼの』をはじめとした製品の実績と信頼性の高さの2つが決め手で、選定において迷うことはありませんでした」と語ります。
 2012年には月次決算の精度を上げるため、より能力の高い新たな財務会計パッケージを導入。さらに2014年には「ほのぼの」をリプレースして延長利用を決めました。

導入ポイント

仮想サーバーや無線LAN環境構築をはじめとしたトータルでの提案力を評価

 2014年に入ると高殿苑の移転と増床が計画されました。新たなIT環境の構築が求められる中、高殿苑は仮想サーバーの構築、PC端末の増設、就業ソフトのリプレース、セキュリティーの強化、無線LANの導入、デジタルサイネージの導入など移転・増床に関するトータル提案をMBから受け、採用を決めました。
 「他ベンダーの提案内容やサントリーのIT部門の方針を踏まえて検討した結果、当会の業務を熟知していること、比較的大がかりな移転においてもワンストップで対応できることからMBの採用を決めました」(岡田氏)
 新施設のIT環境の設計・構築には2016年7月から着手し、2017年4月1日に予定通り本稼働しました。新システムでは、複数の物理 サーバー上で稼働していたシステムを、仮想サーバー上に移行してサーバーを1台に統合。職員が利用するPC端末は30台分を増設し、就業管理ソフトは「クロノス」にリプレースしました。
 セキュリティーの強化については、統合脅威管理装置(UTM)を設置してインターネット経由で侵入してくるウイルスなどの攻撃を防御。邦寿会が運営する他の施設(どうみょうじ高殿苑、旭区西部地域包括支援センター)とはVPN接続しています。PCへのログインは、IDとパスワードの認証から職員カード(FeliCa)による認証に改めました。さらに物理セキュリティー強化対策として、FeliCaと三菱電機の「DIGUARD(ディガード)」による入退室管理を導入しました。
 施設利用者へのサービス向上施策としては、デイサービス用のフロア(1階)に無線LAN環境を導入し、利用者が個人所有のスマートフォンなどでインターネットにアクセスできるようにしました。また、職員間の情報共有をより緊密にするため、各フロアのスタッフルームにデジタルサイネージを1台ずつ導入しました。
 施設の新築、移転と並行して進められたITシステムの移設作業は、スケジュール通りに完了することができました。岡田氏は「365日24時間稼働している施設の移転作業を1日で終わらせる必要がある中、ITシステムはすべてMBに任せることができたおかげで、私たちは施設の業務に集中することができました」と語ります。

導入後の効果

働きやすい職場環境によりサービスレベルの向上を実現

 施設の移転・増床によって高殿苑は、従来の3階建ての多床室型特別養護老人ホームから、8階建て全室個室のユニット型特別養護老人 ホームへと生まれ変わりました。2階から7階の各フロアには2つのユニット、合計120の個室が配置され、入居者はユニット単位で食事、洗濯などの共同生活を送りながら、プライバシーが保護された個室で暮らしています。ベッド数は従来の80から120に増床し、職員数も数十名増えて約200名体制となりました。それに合わせて施設の運用方法も見直され、職員の負担も軽減されました。
 「従来は1フロアで約30人の入居者の情報をPC端末で確認していたため、端末の利用が混み合い、介護スタッフからは端末を増やして欲しいという要望がありました。新施設ではPC端末の増設で、1ユニット10人分の情報をユニット内のキッチンにあるPC端末で確認しながら介護することが可能になり、スタッフの負担軽減とサービスレベルの向上を実現しました。介護の実施記録もユニット内と、各フロアのスタッフルームに置いたPC端末の両方から入力ができます」(岡田氏)
 各フロアのスタッフルームに設置したデジタルサイネージにより、ミーティング時の資料投影やスタッフへの情報伝達に使うなど情報共有を図る環境が確立されました。ITを通じた働きやすい職場環境の実現は、今後の職員採用や職員の定着につながっていくことが期待されています。

今後の展開

よりよいサービスを提供するために職員間のコミュニケーションを強化

 入居者の受け入れ体制の整備を通して、地域社会の活性化への貢献を目指す高殿苑。今後は、グループウエアやコミュニケーションツールの導入を検討しています。
 「24時間3交代勤務の施設においてスタッフ間のコミュニケーションは以前からの課題でした。そこで、グループウエア等を活用することによって、連絡事項の伝達だけでなく経営理念や経営層の考え方を浸透させ、スタッフ各自が経営的な意識を持ってサービスの質向上や業務効率化に取り組めるようにしていきたいと思います」(岡田氏)
 また、情報共有の強化と業務の効率化の一貫として、入力端末のタブレット対応と、施設全館への無線LANの導入を検討しています。岡田氏は「MBには引き続き手厚いフォローと施設の運用効率を高める提案に期待しています」と話します。
 高殿苑、どうみょうじ高殿苑、旭区西部地域包括支援センターの3つの高齢者施設と、つぼみ保育園を運営する邦寿会は、サントリーグループの社会貢献活動を担う法人として、今後も創造性のある高齢者福祉と乳幼児保育に取り組んでいきます。

■システム構成イメージ

※この記事について:この記事は、情報誌「MELTOPIA」2017年11月号(No.231)に掲載されたものを転載しました。この記事の取材は、2017年7月に行いました。

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