製造業を巡る2018年の現状と課題について【業界動向】

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経営管理、業界動向、製造業

2018年08月29日

Connected Industriesや第4次産業革命、スマート工場など、製造業の今後に関連する言葉がここ数年で新しく増えていますが、製造業の現状について正しく把握できていますか?
特に会社を動かしていく立場であれば、自社の属する業界の動向は逐一把握しておきたいものです。

そこで今回は、「製造業の現状と課題について」というタイトルで、2018年現在における国が推進している取組や、業界が抱えている現在の課題などをまとめました。

国内における製造業の現在について

国内における製造業の現況をまず見てみましょう。経済産業省が2018年3月に公開した「製造業を巡る現状と政策課題」によると、製造業のGDPは全産業の2割程度を占めています。就労人口も同じように全産業の2割弱の割合となっていることから、製造業は現在も日本の基幹産業の一つとなっていることが分かります。

製造業の企業業績は2016年に落ち込みましたが、2017年は前年と比較すると大企業・中小企業ともに改善傾向にあります。経済が復調し製造業が徐々に力を取り戻しつつはあるのですが、一方で人材不足が深刻な課題になってきました。製造業における生産も国内生産へ回帰する傾向が見られるものの、人材が足りないために足踏み状態となっています。
人材不足との直接的な因果関係ははっきりしていないものの、昨年から今年にかけて日本を代表するような製造業の大企業において検査不正が相次いで発覚し、「現場力が低下している」というようなメディア報道もありました。景気は回復傾向にありますが、解決すべき課題も少なくないというのが2018年の製造業の現況です。

Connected Industriesについて

2017年3月にドイツで開催された国際情報通信技術見本市(CeBIT 2017)において「Connected Industries」が発表されました。「Connected Industries」とは、さまざまな業種、企業、人、データ、機械などがつながり(Connected)、新たな付加価値や製品・サービスを作り上げ、高齢化、人材不足、エネルギー問題などのさまざまな社会課題の解決を目指すという新しい産業のあり方です。関係する企業や研究機関が協力・協働し、IoT、ロボット、AI、ビッグデータなどのコア技術を活用して、データの集約・ 共有の円滑化、異業種間の連携、 経営資源の集中、新技術・事業の早期社会実装の容易化などを推進することによって、その実現を目指します。

「Connected Industries」の実現によって、現場の自動化による人手不足の解消や、伝統技術や職人技の体系化による技術継承、製造現場のデータを細かく取得することによる新たな付加価値の創造などの効果が期待されています。
日本においては、この「Connected Industries」を推進すべく、「自動走行・モビリティーサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」の5つの重点取組分野において資金の集中投入などが図られる予定です。

人材不足という課題の解消に向けて

現在の製造業を巡る大きな課題になっているのは、「人材不足」です。昨今のように経済が活況を呈しても、ものづくりに携わる人材が不足している状態では、経済成長を支えることができません。現場レベルで生産性を上げることによる対策ももちろん大事ですが、経営レベルで生産性を上げるという視点も非常に重要です。その方策としては、高度なファクトリーオートメーションの実現が重要な鍵となるでしょう。

高度なファクトリーオートメーションの実現は、「スマート工場」の実現を意味します。スマート工場とは、工場内のオートメーション化を高度に進めた上で、さらにIoT技術を活用して工場内設備・システム・センサーなどをインターネットで接続し、総合的に管理することにより、生産性向上につなげるという考え方です。第4次産業革命と呼ばれる流れの中の一つの取組であり、アメリカやドイツなどでもすでに同様の取組が行われています。
スマート工場が実現すれば、工場の在り方や情報伝達、生産性や品質向上などに大きな変革をもたらす可能性が拡がり、下がったのではと危惧されている現場力を再構築することにもつながります。

しかし、スマート工場を推進するにあたっても人材不足という壁があるのが現状です。現場のデジタル化が推進される中、優秀な人材を多く集めるとともに、デジタルに強い人材やスキルを持った人材の採用や育成が急務です。しかし、経済産業省が発表した「2017年度版ものづくり白書」では、十分なデジタル人材を確保できていないと考えている企業が8割弱を占めていると記載されています。この点について白書では、経営層だけでなく製造業全体として対策を行うべき課題であると分析しています。

まとめ

製造業はいま大きなデジタル変革期にあるといえるでしょう。このような状況下で経営層に求められるのは、今が変革期であり危機感を持って変化に対応していく必要があるという認識と、現場力の再構築(スマート工場化)に向けた課題を解決できる経営力です。

スマート工場化を進めていくにあたっては、人材の問題や設備投資の問題、部門間での連携など、現場だけでは解決が難しい課題も多いです。これらの課題を解決していくためのポイントは「経営層が危機感を感じ、それに対応する意欲があるか」です。環境変化における危機感が強い企業ほど、設備や新しい取組に対して積極的な投資やサポートを行う傾向が強いです。そのためまずは「変化の必要性」を経営層がしっかりと認識することが大事です。

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