勤務間インターバル制度とは?【2019年4月施行:働き方改革】

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人事向け、働き方改革、ビジネス用語解説

2019年02月20日

2018年6月に成立した「働き方改革関連法」では、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定時間以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル」制度の導入を、事業主の"努力義務"とすると定め、2019年4月1日に施行されることとなりました。
今回は、「勤務間インターバル」制度が定められた背景や導入することによるメリット、導入に際しての注意点についてご説明します。

勤務間インターバル制度とは

出典:「勤務間インターバル」を導入した場合の働き方例
 (厚生労働省:「勤務間インターバル」とは)

「勤務間インターバル」制度は、勤務が終了したあと一定時間の休息時間を設けることで、労働者の生活・睡眠時間を確保することを目的とした制度です。

近年の日本では、長時間労働による心身の健康被害が社会問題になっています。こうした事態を改善するために、勤務終了後から次の勤務開始時間までの間に“間隔(インターバル)”を設け、十分な休息と睡眠の時間やプライベートの時間を確保することで、労働者の心身の健康を維持することが勤務間インターバル制度の狙いです。

勤務間インターバル制度はEU加盟国では既に制度化されており、「24時間につき最低連続11時間の休息時間をとらなければならない」と法律で定められています。

残念ながら現状の日本では、勤務間インターバル制度を導入している企業の割合は1.8%に留まっています。導入が進んでいない要因としては、「制度自体の認知度の低さ」が最も多く、他には「要員の確保が困難である」など労務管理上の課題が理由として挙げられています。(※)

今回施行される勤務間インターバル制度は努力義務であるため、導入を強制するものではありません。しかし、残業時間の上限規制が設けられるなど、長時間労働の是正に向けた取組が進められる今、従業員のワーク・ライフ・バランスを実現するためにも前向きに検討したい制度であると言えます。

出典:平成30年12月21日公表「勤務間インターバル制度の普及促進に向けた報告書」(厚生労働省「勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」)

勤務間インターバル制度導入のメリット

勤務間インターバル制度を導入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

従業員自身の健康管理意識が向上
「十分な休息時間を設けること」がルール化され就業規則に規定されることで、従業員自身が健康管理に高い意識を持つことができます。そのため、従業員一人ひとりの“時間の意識改革”をすることが可能です。一日の時間をどう使うか考えることで、短い時間で生産性の高い仕事ができるようになると、結果として企業競争力を高めることにもつながります。

あるソフトウエア開発会社では、勤務間インターバル制度を就業規則に規定し遵守させたことで、従業員が自己啓発のための時間を確保でき、また会社全体の生産性が向上したことで、時間外労働時間が約30%減少したという事例がありました。

業務の“見える化”、“効率化”が進む
十分な休息時間を確保するためには、時間内に業務を終わらせる必要があるため、効率的に働くためにはどうすべきか、会社側も従業員側も真剣に取り組む必要性が生まれます。
会社としてのルールや仕組み作りを行うだけでなく、従業員それぞれがいかに効率よく業務を行うことができるか、知恵を出し合うことで業務改革が進むことにも繋がるでしょう。
また、取組を進めるにあたり、誰がどの時期にどのくらいの業務負荷があるのかを“見える化”することで、従業員同士で仕事を調整し助け合う意識も生まれます。

離職率の低下につながる
従業員が十分な休息・睡眠時間を取得できる環境を築くことが、離職率の低下にもつながります。
ある特別養護老人ホームでは、勤務間インターバル制度を就業規則に規定して遵守させたところ、制度の導入以降の離職率がほぼゼロになりました。
同施設では就職希望者が何人も待機している状況ということで、労働者側にとっての魅力となるような「採用活動における強み」にもなるのもメリットと言えるでしょう。

制度導入にあたっての実務上の注意点

勤務間インターバル制度を導入するにあたって、まず注意したいのが「休息時間を何時間に設定するか」という問題です。この場合、既に勤務間インターバル制度が義務化されているEU加盟国の「休息時間=11時間」や、厚生労働省が設けている時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)では『休息時間数が「9時間以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入すること』を成果目標として定めているため、「9時間」を目安としても良いでしょう。

「通勤時間をどのように定義するか」という問題についても、考える必要があります。たとえ休息時間を11時間に設定していても、通勤に往復3時間かかる社員の場合「休息が十分に取れない」という意見が挙がる可能性があります。

いずれにしても、労使間がしっかりと協議し、双方が納得できる規定を定めるようにしましょう。

また、勤務間インターバル制度は従業員の労働時間を“制限”する側面もあります。そのため、「業務効率の改善」「業務量の調整」「十分な人員確保」が行われずに制度化してしまうと、逆に従業員の負担が増してしまう可能性もあります。
そのため導入する際は、会社の実態に即した制度設計を検討しましょう。

なお、企業として従業員それぞれの始業時間と終業時間を正確に把握することも、制度の導入に不可欠です。記録漏れを防ぐために、勤怠管理の方法を見直す必要も出てくるかもしれません。

まとめ

ここまで勤務間インターバル制度についてご説明してきました。
厚生労働省は勤務間インターバル制度を導入する中小企業に対し、積極的な支援を行うべく時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)を設けています。平成30年度分の申請は既に終了していますが、平成31年度の予算案の中にも「勤務間インターバル制度の導入促進」が盛り込まれているため、導入を検討される際には、ぜひチェックされることをおすすめします。

「従業員の健康意識を高める」「労働の効率化を図れる」というこの制度は、様々な働き方が推奨される昨今において、会社にとっても従業員にとってもメリットのある制度と言えるでしょう。
より良い労働環境や職場づくりのためにも、導入を検討されてはいかがでしょうか。

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勤務間インターバル制度の導入を検討される場合には、始業時間と終業時間を客観的に把握し管理できているかを見直す必要もあり、先程ご紹介した時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の中でも、「労務管理用ソフトウエアの導入・更新」が支給対象の取組として挙げられています。

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