有給休暇の取得率向上を目指すには

労働基準法の改正により、「10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し5日の有給休暇取得の義務化」が検討されています。しかし、年次有給休暇の平均取得率が50%を切るという実情の中では、従業員が自発的に規定の有給休暇を取得することは難しいと考えられます。義務化に備え、企業側として今から「従業員が有給休暇を取得しやすい環境づくり」を行う必要があるでしょう。

有給休暇取得の実情

厚生労働省の調査によると、2015年1年間での有給休暇取得率(企業が付与した有給休暇日数に対し労働者が取得した割合)は48.7%です。そしてこの数値は、企業の規模により異なってきます。

従業員数が1,000人以上の企業の場合、取得率は54.7%に、300~999人は47.1%、100~299人は44.8%、30~99人は43.7%となります。この数値から、従業員数が少なければ少ないほど、有給休暇の取得が難しくなるという傾向があるといえます。

某情報通信サービス会社が2017年7月に行ったアンケート調査によると、有給休暇が取得できない理由として「職場に休める空気がないから」が一番に挙げられました。さらに20代では「上司・同僚が有給休暇を取らないから」という理由も目立ちました。

このことから、有給休暇の取得率向上のためには「休みやすい職場づくり」が必要不可欠であるといえるのではないでしょうか。

休みやすい職場環境とは

従業員が安心して有給休暇を取得するために、企業側は「休みを取りやすい」環境や空気を整える必要があります。例えば、

・時間単位取得の制度化
・有給休暇取得の制度化
・業務の分担や担当者不在時のフォロー方法などバックアップ体制を整備
・休暇計画表を作成し情報を「見える化」することで取得し易い空気を整える

などが効果的であるといえます。

時間単位で有給休暇を取得できる方法は、取得率向上に有用だといえます。時間単位での取得は、授業参観など従業員の家庭の事情にも細やかに対応できるため、育休復帰後の従業員の定着率向上も期待できます。従業員が時間単位で取得できるようにするには、労使協定の締結と労働基準監督署に就業規則の変更を届け出る必要があります。変更する場合には忘れずに手続をしておきましょう。

また、「有給休暇取得の制度化」の具体例として、「マイカレンダー休暇」という制度を実施している企業があります。この制度は、年度初めに有休取得日3日を計画し、上長と相談のうえ設定する仕組みです。予め決めておくことで、自主的で計画的かつ公平な有給休暇取得推進を目的としており、全社員が閲覧できるスケジュール管理システムに休暇日を登録することで「見える化」も行っています。年度の途中では、設定漏れや取得状況を総務が確認し促進活動も行います。この制度が始まって以降、取得し易くなったと感じている社員が増え、取得率向上にもつながっているそうです。

このように時間単位での有給休暇取得だけでなく、施策を複合化して取得推進を進めることで、より効果を発揮することが期待できます。

企業が率先して休みやすい職場環境づくりを行うことは、有給休暇取得率を向上させるだけでなく、良い人材の定着にもつながるため、企業側にも大きなメリットがあるといえるでしょう。

まとめ

有給休暇の時間単位取得は、従業員にとって大きなメリットのある制度です。しかし一方で企業側にとっては、有給休暇日数の管理が煩雑になるというデメリットもあります。実施に当たっては、1日の有給休暇が何時間分の時間単位に相当するかというルールを定め、それによって計算していく必要があります。

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