できていますか?労働時間の適正な把握

従業員が時間外労働や休日労働を行うために、企業は事業所単位で従業員と36協定の締結をする必要があります。来年度の締結に向け、企業側は従業員の労働時間を適正に把握できているかどうかを、改めて見直してみてはいかがでしょうか。

労働時間の適切な把握とは

厚生労働省が平成29年1月に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間の適正な把握のために行うべきことについては、次のように挙げられています。

◆使用者(事業主または労働時間を管理する権限の委譲を受けた者)は労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること
◆使用者は労働者ごとに労働日数・労働時間数・休日労働時間数・時間外労働時間数・深夜労働時間数といった事項を適正に記入(記録)しなければならない

企業側が適切な労働時間を把握するためには、まず従業員の始業・終業時刻を正確に記録しましょう。

労働時間の考え方を再認識しましょう

平成29年策定のガイドラインでは、「労働時間の考え方」に関する項目が新たに追加されており、『労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる』つまり、「使用者の指揮命令下に置かれている」という観点から判断するものとし、例えば、

◆就業準備として制服の着用が義務づけられている場合の「着替え時間」
◆参加することが義務づけられている研修や教育訓練の受講

も、労働時間に該当します。
また、業務の都合で納期に間に合わないため残業したが、企業側からは残業命令が出されていない場合についても「暗黙の指示」であると判断され、労働時間とみなされます。
適正な申告を行うためには、企業側・従業員双方に「適正な労働時間」に対する共通した認識を持つ必要があるといえます。さらに、企業側は労働時間の管理だけでなく、従業員がそれぞれに抱えている業務量をも把握し、適正な対応が求められているといえるでしょう。

多様化する働き方にはどのように対応すべきか

テレワークやモバイルワークなど「働く場所」や「働き方」の多様化が進む中、タイムカードといった従来の方法では労働時間の正確な記録が難しいケースも出てきています。ガイドラインでは、このような「やむを得ない」場合は自己申告制を実施して良いとしています。しかしその場合、以下のように企業側として講ずべき措置が具体的に定められています。

◆企業側は従業員や労働時間を管理する担当者に対し、自己申告制について十分な説明を行うこと
◆自己申告した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を行い、必要な労働時間の補正をすること
◆企業側は従業員が自己申告できる時間数の上限を設けるなどで阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の「延長することができる時間数」を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているように申告することが、従業員等において慣習的に行われていないか確認すること

自己申告制は、対象となる従業員の適正な申告が前提で成り立つ制度です。その為にも企業側は従業員や労働時間を管理する担当者に対し、十分な説明を行う必要があります。
同時に、パソコンのログイン・ログアウト時刻の記録や、ICカードによるビルの入退室記録の管理、モバイル端末を使った出退勤の記録など、自己申告制以外の方法で客観的に労働時間を把握できるシステムの導入も、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

労働時間の適正な管理については、客観的に管理する仕組み作りや社内規定の整備、勤怠管理システムの導入など自社の業務内容や従業員の働き方に合わせて、最適な運用の整備を行うことが重要です。従業員の労働時間が正しく把握された結果、職場環境が改善されるだけでなく、仕事に対する取り組みの意識にも変化が生まれるのではないでしょうか。

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