仕事ができる人の共通点?「人間力」とは

社会に出て働いている人であれば誰しも「仕事ができる人になりたい」と願うことがあるかと思います。しかし、何が備わっていれば「仕事ができる」と言えるのか、必要なスキルやマインドについて考えてみたことはありますか。

仕事ができると言われる人に共通して備わっている能力の一つとして挙げられるのが、「人間力」、いわゆるヒューマンスキルの高さです。今回は、人間力の考え方や人間力を高めるためのポイントなどを説明していきます。

人間力とは?

あの人は人間力が高いな・・・と感じることがあります。では具体的に「人間力」とはどのような力を指すのでしょうか。
内閣府人間力戦略研究会が「人間力」について以下のように定義しています。

『社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力』

さらに、具体的な構成要素として3つ挙げています。

(1)想像力、論理的思考といった「知的能力要素」
(2)コミュニケーションスキル、リーダーシップ、他者を尊重する心といった「対人関係力要素」
(3)意欲、忍耐力などの「自己制御的要素」

ビジネスの世界ではこれら3つの能力が高いほど、リーダーシップを発揮してプロジェクトを成功に導くことができると言われています。より多くの人と関わりを持ち大きなプロジェクトを成功させるためには、高度な知的能力や対人関係力、自己の制御力が求められます。知識や業務遂行能力など特定の領域のスキルが高いだけでは、本当の意味で仕事のできる人とは言えません。

人間力をビジネスに活かす

責任のある仕事を任せられる機会が増えるということは、ビジネスにおいて重大な決断を下す場面が増えるということです。
重大な決断とは、リスクを内包した決断です。実のところ、失敗してもリスクの低い意思決定というのは、責任のある立場の人が下す必要はありません。育成やリソース配分という観点からも、むしろ現場に権限委譲した方がよい結果をもたらす場合も多いです。

一方、失敗した時に大きなリスクを孕んでいる決断こそが、重大な決断と呼べるものです。不確実な状況で、多くの部下や関係者が背後にいるという責任のある立場としてどのような決断を下すか、また決断を下した後にその決断をどれだけ周りに納得してもらい、遂行のために個々人のポテンシャルを十分に発揮してもらうことができるか。それを左右する大きな要素が、ビジネスにおける「人間力」の高さ、つまりリーダーとしての信頼度の高さと言えます。

「人間力」はスキルのように扱われることもありますが、本来は仕事やそれに関わる人、さらにはその先にいる他人に対する「姿勢や行動」であると考えましょう。

人間力を高めるためのポイント

人間力を高めるためのポイントは様々あるかと思いますが、ここではその中でも2つを取り上げてご紹介します。

(1)思いやりの精神を常に持つ

基本的なことでもありますが、思いやりの精神を常に持つことです。ビジネスにおいては顧客や取引先だけでなく社内のメンバーなど、必ずと言っていいほど人と接し関わりをもって仕事をします。誰に対しても思いやりの心を持って、気遣いを忘れないようにしましょう。
思いやりの精神はビジネスシーンだけではなく、家族や恋人、友人と接するときにも意識することができます。例えば、恋人が喜んでくれるようなプレゼントを考えたり、家族に対して日頃の感謝を伝えたりと、小さなことでもできることはあります。日常から常にアンテナを張り、相手の立場になって考える習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。
また、感謝の気持ちを忘れないことも大切です。相手を思いやることができれば、自然と感謝の気持ちも生まれてくるでしょう。

(2)目標設定と目標を達成するための努力をする

自身を見つめ直した時、このスキルが足りていない、この知識をもっと磨こうと感じたら、どんな小さなことであっても「目標」として設定しましょう。そして、その目標を達成するためにやるべきことを整理し、スケジュールを組んでください。計画を立てて取り組んだ結果として得た経験や自信は、また新たな目標達成のための原動力となるでしょう。

会社の中でも与えられた業務をこなすだけではなく、個人でしっかり目標を立てて行動するよう心がけてください。また、与えられた業務を相手の期待値通りで終わらせてしまうのではなく、相手の期待を上回ろうとする姿勢で取り組むよう努力してみましょう。その姿勢が結果として実績となり、人間力を高めることにも繋がります。

まとめ

今回ご紹介した通り、人間力には知的能力と対人関係力と自己制御という3つの要素が定義されていますが、どれか1つだけを伸ばすのではなく、バランス良くすべての能力を高めていくことが重要です。
社内を含めた自身の人脈の中で、模範にできるような相手がいれば、直接学んでみるのも良いでしょう。普段の考え方や、読んでいる本などを聞いて参考にすることによって、目標達成に繋がるだけでなく、今まで考えもしなかった新しい目標が生まれるかもしれません。

日常の積み重ねや仕事の経験、培ってきた知識が自身の人間力として現れます。研鑽した人間力をビジネスに活かすことができれば、高いリーダーシップを発揮して新しい価値を生み出し、仕事においても高い成果を生み出すことができるようになるでしょう。

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