「ほうれんそう」できていますか?・上

報告・連絡・相談の頭文字を取った「ほうれんそう」は、社会人の標語とも言える言葉です。
仕事をする上で最低限守らなければいけないルールなので、社会に出たら必ず教わることの1つですが、報告・連絡・相談を受けることが多い管理職の立場から見ると、正しく実践されていないと感じる場面も少なくないようです。新年度がスタートしたこのタイミングで、今一度「ほうれんそう」の重要性について考えてみましょう。

「ほうれんそう」が実践できない原因は?

「ほうれんそう」が大切だということは多くの社会人が理解してるにも関わらず、実践できていないと思われてしまう原因は、実践しているつもりになっているだけの人が多いからではないでしょうか。
「ほうれんそう」の目的は情報共有です。仕事はチームプレーなので、情報を共有しながら連携を図らなければ、円滑に仕事を進めることはできません。
ただし、手当たり次第に情報共有をすればいいというわけではなく、どの情報をどういうタイミングで伝えることが適切なのかを、その都度判断する必要があります。そして、その認識を伝える側と受け取る側で一致させることが、受け取る側が満足できる「ほうれんそう」につながります。

「ほうれんそう」の言葉の意味を再確認

「ほうれんそう」は社会人なら誰もが一度は耳にしたことがある言葉ですが、改めて報告・連絡・相談という言葉について考えてみると、3つとも第三者に何かを伝えるという、似通った意味を持つ言葉ということに気付くのではないでしょうか。
それぞれの微妙な意味合いの違いを再確認することで、「ほうれんそう」の正しい実践方法が見えてきます。

・報告・・・業務の進捗状況や結果などを伝えること。
・連絡・・・仕事を進める上で必要な情報を発信して知らせること。
・相談・・・判断に迷った時や問題が発生した時に意見を求めること。

この3つの言葉の意味を考慮すると、「報告」は縦方向の情報共有、「連絡」は横方向の連携、そして「相談」は立場にかかわらず自由に意見交換をすることが、「ほうれんそう」の理想的な形だと言えるでしょう。

重要なのは伝える手段とタイミングの使い分け

「ほうれんそう」で難しいのは、伝える内容によって手段やタイミングを使い分けるところにあります。
手段を選択する時は、情報の緊急性や重要度で判断するのがポイントです。緊急性が高いものは、口頭で伝えたほうが時間のロスが少なく密なやり取りも可能ですが、内容が複雑な場合には図やグラフ等の資料を用いて報告したり、伝えたことをエビデンスとして残したい場合には、メールを使ったほうが効率的です。
どのような方法で伝える場合でも、主観を入れずに事実を簡潔に伝えることを心掛けましょう。
そして、もう一つ気を付けたいのがタイミングです。特に自分がミスを犯してしまった時など、悪い情報を伝えなければいけない状況になると、つい報告を躊躇してしまいがちですが、トラブルを最小限で食い止めるためにも、良くないことが起きた時こそ早めの「ほうれんそう」が重要です。

まとめ

何をどのように伝えるかということを常に意識しながら行動することが、「ほうれんそう」の基本です。当たり前のことだからこそ、時々初心に立ち返って「ほうれんそう」の重要性について見つめ直してみましょう。
次回は具体的なシチュエーションを例に挙げながら、「ほうれんそう」の実践方法をご紹介します。

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