IoTとは?モノがインターネットにアクセスすることで起こる産業革命

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IT用語解説、ビジネス用語解説、IoT

2018年07月31日

ニュースでも取り上げられる機会が増えてきており、「IoT」という言葉の認知度は少しずつ広まってきました。
ですが、もしIoTについて明日の朝礼でスピーチを求められた場合、正確にその内容を話すことができる自信がある方はまだそう多くないのではないでしょうか。
IoT技術の発展は、経営環境を大きく変えるだけの影響力があると言われています。そのため、情報システム分野を専門としていない方であっても、「IoTとは何か」「ビジネスシーンでIoTを取り入れることによってどのようなメリットがあるのか」などは、ぜひ押さえておいて頂きたい内容と言えます。
そこで今回は、IoTについて改めて詳しくご説明します。

IoTとは?

IoTは「Internet of Things」の略語で、モノをインターネットに繋ぐことを意味します。ここでいうモノの定義は実は曖昧です。というのは、あらゆるモノが対象となるからです。
例えばパソコンやスマホといった情報通信機器はもちろんのこと、家庭においては冷蔵庫や洗濯機といった家電商品、工場では生産現場のライン、物流の現場ではトラックといった情報通信機器以外のモノでもセンサーを使うことでインターネットと繋ぐことが可能となります。そう考えると、「あらゆるモノがインターネットにアクセスすること」がIoTの特徴といえるでしょう。
椅子や机のように一見インターネットと繋ぐこととは無関係に思えるモノでもインターネットに繋ぐことができるかもしれない、そう考えることがIoTを理解するうえでとても大切です。

では、「モノがインターネットにアクセスすること」で何をすることができるのでしょうか。

【一般家庭内】
・家のドアや窓の施錠状況をスマートフォンでチェックし、未施錠の窓があれば遠隔操作で施錠する
・エアコンをONにして設定温度をスマートフォンから操作し、帰宅する前に部屋を快適な状態にする
・消し忘れたエアコンのスイッチを遠隔操作でオフにする  など

【施設内】
・老人介護施設において、もし夜間に個室のドアが開いたら職員に知らせる
・ジュース製造施設内で、担当の各自動販売機から売上データを取得し、補充するジュースの種類や数を決定する
・工場施設の稼働状態を逐一チェックし、異常があれば管理者にメールで通知を送る  など

このようにモノから情報を取得できるようになることで、利用者にとってはより便利になり、反対にモノを提供する側である企業にとっても、利用状況を取得できることで新たな製品開発に活かすだけでなく、モノを利用する際に付加するサービスを改善できるという点がIoTのメリットです。
そのメリットを活かすためには、モノから集積した情報を分析してフィードバックする必要があるため、ただ単にモノからデータを集めるだけでなく、それをどのようにヒトへとフィードバックするのかがIoT活用における重要なポイントとなります。

日本でのビジネスにおけるIoT推進の壁

利用者と提供する側、双方にとってメリットのあるIoT化ですが、現状の日本においては今後のIoTの発展に立ちはだかる壁がいくつか存在しています。

まず挙げられるのは、収集したデータを扱えるデータ分析者の不足です。どれだけデータを集めても、集めたデータを分析・活用できなければ意味がなく、どのようなデータを集める必要があるのか、集めたデータをどのように活かすのかまでのグランドデザイン(全体構想)が描けるような、分析技術だけでなくプロジェクト推進力も兼ね揃えた人材のニーズが高まっています。

次に、IoT化を進めるためには企業の垣根を越えた情報連携が大切です。自社で収集したデータを他社にも利用してもらうことで、業界全体の市場価値が上がるといった効果が期待できます。さらには業界を越え、多種多様な業界でモノやデータを連携することにより、新たな価値を生み出すことにも繋がります。そのためにも、自社内でデータを囲い込むという考え方を変える必要があるでしょう。


また、IoTを取り入れる際には少なからず費用と時間がかかります。すべてを自社で完結させるのではなく、データの集積は自社で行い、その分析はデータ解析に長けている外部の企業に任せる、その後どう活かすかをまた自社で検討し利用者にフィードバックする、といった方がより効率的である場合も多いでしょう。他社と共同してそれぞれの得意分野を活かすことは、市場のイノベーションにも繋がります。外部の企業と協力することも、今後のIoTビジネスの発展における重要なポイントとなるでしょう。

課題解決に向けたIoTの最新の取り組み例

「データ分析者の不足」「他企業との情報連携」がIoT推進における課題となっているとご紹介しましたが、これらの課題の解決に向けた取り組みも次第に広まりつつあります。

広島県が主体となって進めている「ひろしまサンドボックス」もその取り組みの中の一つで、「共創でなんでもできるオープンな実証実験の場」として県内や県外から様々な企業や団体を呼び込み、各組織間での情報連携を通じてAIやIoTの実証実験を行うことができる場所を県が主体となって構築したことが2018年5月17日に発表されました。
今回の「ひろしまサンドボックス」の取り組みは、人や組織を一つに集めて新たなソリューションを生み出すための試行錯誤を繰り返す場の提供だけでなく、県内の経営企画部門や現場責任者を対象に、IoTエキスパートを育てるための教育コンテンツを無償で提供する役割なども含まれています。早くも大手企業や他の地方自治体との連携協定が発表されており、官民連携によるIoTの推進に向けた取り組みに注目が集まっています。

まとめ

総務省が2017年に公表した「平成29年版情報通信白書」では、IoTデバイス数が急増し「2020年時点で300億個に達する見込み」であることから、今後は身の回りのさまざまなモノのIoT化がさらに進んでいくことが予想されます。
また、IoT化と企業改革とが進展した場合、「IoT・AIが2030年の実質GDPを132兆円押し上げる効果がある」と試算されました。業種別に見た場合、「製造業」「商業・流通」「サービス業、その他」の経済成長シナリオとベースシナリオとの差が大きくなっており、これらの業種におけるIoT化及び企業改革の進展が大きなインパクトを持つとされています。

現時点では、日本における第4次産業革命に向けた取り組みは世界に比べて遅れをとっている状況です。ですが近い将来、IoT・AIを導入する動きが自分たちの会社で起こるかもしれません。その時のためにも、IoTに関する最新技術やトレンド情報にアンテナを張っておくことをおすすめします。

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