RPAとは?導入メリット・効果や活用事例をご紹介

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IT用語解説、自動化、RPA

2018年09月27日

少子高齢化社会が進んでいる現在において、多くの日本企業が直面している課題が労働人口の減少です。この課題に対し働き方改革の取組でも生産性向上が打開策として挙げられています。
さてこの「生産性の向上」というテーマに関し、日本でも注目を集めているのが「RPA」というキーワードです。
そこで今回は、RPAの特徴やメリットなど将来のRPA導入・運用へ向けて参考になるような情報をご紹介します。

RPAとは?

「RPA」とは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の頭文字を取ったもので、ソフトウェアロボットによりホワイトカラー業務を自動化できるテクノロジーのことです。事務処理や伝票処理などの定型業務をロボットに任せることで、生産性と効率性の向上が効果として期待されます。

RPAとよく似ている言葉に、「RDA」があります。RDAとは「ロボティック・デスクトップ・オートメーション」のことで、規則性のある反復作業やルーティンワークを自動化することが可能です。RPAとRDAどちらも、ソフトウェアロボットを使いパソコンの作業を自動化できるという点では共通しています。

では、違いは何でしょう。
RPAは一般的にサーバーにインストールし(※)、その管理サーバーからパソコンに対し複数の命令を出すことができます。管理サーバーで集中管理を行うため一括操作が可能なだけでなく、人が介在せずに業務を自動化できる点が大きな特徴です。
RDAは個々のパソコンにインストールする必要があり、そのパソコンを管理している担当者がロボットに対し命令を出さなければなりません。また、ロボットが稼働している間はパソコン操作ができない点がデメリットと言えます。

つまり、
・業務自動化のためのロボットソフトウェア全般=RPA
・デスクトップ上の作業(単体のパソコン)効率化のためのロボットソフトウェア=RDA

というイメージです。

RPAが注目された背景には、冒頭にも紹介した通り少子高齢化社会における労働者不足の影響が大きいです。また、日本の就業者1人当りの労働生産性が主要先進国の中で最下位であることからも、生産性を高める取組としてRPAの活用にスポットが当てられています。

また、社内で使われる申請書などの書類や経営に関わる情報が紙ベースからデータベースにデジタル化されるようになり、RPAを導入できる周辺環境が整備されてきたという要素もあります。
このような背景により、データ収集やシステムへの入力などホワイトカラーが担う業務を自動化して作業を効率化できるRPAに、期待を寄せる声が高まっているのです。

RPAはパソコンインストールタイプもあります

RPA導入のメリット・効果とは

RPAを導入するメリットについてご紹介します。

(1)業務効率化
まず挙げられるのが「業務効率化」です。業務処理をスピードアップできることにより、生産性が高まるだけでなく、24時間休みなく働くことができるため、納期の短縮も可能となります。また、データ収集やシステムへの入力などを人が行うと、人為的なミスが発生する可能性は否定できません。しかし、ソフトウェアロボットならミスは少なくて済むため、品質の向上にも繋がります。
さらに、RPAが業務を代行することで「ヒト」がこれまでルーチンワークに費やしていた時間を、新しい仕事やよりクリエイティブな仕事に使うことができます。

(2)コストの削減
次に挙げられるのが、コスト面のメリットです。当然ながら導入費や維持費は必要ですが、ロボットには給与やボーナス、残業代のほか、通勤手当や家族手当、退職金などという人件費を支払う必要はないため、中~長期的に見たときに人を雇った場合よりも低コストで業務を行うことができます。

(3)セキュリティーやコンプライアンスの向上
RPAはソフトウェアロボットごとに参照・実行・修正等の権限の範囲を設定することが可能です。部署ごとに設定すれば、他部署の情報を参照したり修正したりすることはできません。もちろん、おしゃべりをしてうっかり大切な情報を漏らしてしまうこともないため、情報漏えいの防止やコンプライアンスの向上などのメリットも考えられます。
ただし、逆に言うとロボットへのルール付けを正しく行わなければリスクが高まるケースもあり得るので、導入の際はリスクマネジメントに注意を払う必要があるでしょう。

RPAの適用できる業務・適用できない業務

RPAが得意とするのは、ルールに基づいて繰り返して行う作業や、大量のデータを処理する作業です。キーボード操作やマウス操作を自動化できるので、入力作業やデータ収集などが可能です。Excelデータ入出力やデータ変換作業、受発注業務、請求処理なども行うことができます。単純な事務作業や定型的なシステム連携など、だれがしても同じ結果になる業務で大いに役立つでしょう。
単調で時間がかかりミスが発生しやすい業務や、同じ作業を何度も行う業務をRPAは得意としています。

一方、RPAではできない業務もあるので注意が必要です。RPAは審査やチェックといった人間による高度な判断が必要な仕事や、創造的な仕事は向いていません。

よって、RPAに向いている定型的な作業を見極め優先して自動化した上で、空いた人的リソースをマーケティングや設計・開発などのクリエイティブな業務に回し力を発揮してもらうことこそが、PRAを導入する上での一番のポイントとなるでしょう。

RPAの活用事例

RPAを導入して定型的な作業を効率化できた事例を2つほどご紹介します。

<商社:A社の事例>
営業部門では半年に一度、Webシステムに対する単価訂正という定型作業があり、これまではその入力作業に年間130時間も要していましたが、RPAの導入によりわずか30時間にまで短縮されました。

入力ミスの多発や入力後の確認作業、Webシステムのレスポンス遅延といった弊害により感じていた作業担当者の精神的ストレスが解消されました。また、入力作業から解放された時間を訪問や提案書の作成といった「営業部門としてより生産性の高い業務」に充てることができたという点が改善の大きな効果となりました。

<金融業:B社の事例>
金融サービス業界では膨大なデータ処理が発生しますが、B社ではExcelなどの表計算ソフトを使った作業をRPAが代行することで、作業時間や作業人数を約75%も削減できる結果となりました。

簡単でマニュアル的な作業をRPAに代行させただけではありましたが、作業回数がのべ数百回となる作業を自動化したことで、大幅な作業軽減と人員コストの削減となりました。
また、情報漏えいなどのリスクをゼロにするために、人間の目による最終確認を行うことで作業品質も向上。人間とロボットそれぞれの得意分野で力を発揮できるよう役割分担できたことが、成功に繋がりました。

まとめ

少なからず導入費や維持費がかかることや、プログラムを組むことに難しさを感じてしまい、RPA導入はハードルが高いと思われるかもしれません。しかし、部署や部門ごと、業務ごとに切り分けてスモールスタートが可能であることもRPAの利点です。事実、RPAを導入する企業は増えてきており、今後のさらなる拡大も見込まれます。

RPAを導入する際に行う「業務を仕分け整理する」ことが、業務プロセスの見直しのきっかけにもなります。その結果、無駄な作業を洗い出せることができれば、業務改善にもなります。また、付加価値の高い業務を任されるようになることで社員一人ひとりの満足度が高まれば、今以上に高品質な商品・サービスを提供できるようになるでしょう。最終的には企業の発展にもつながります。

このような好循環を生み出す可能性を秘めている「RPA」。日本の労働生産性を大きく改善させる突破口になるかもしれません。

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