AIを中小企業が積極的に活用できるように

  • ITトレンド

AI

2017年04月03日

AI(人工知能)と聞くと、どんなものが思い浮かぶでしょうか。
例えば、話しかけてくる人に合わせた情報提供や会話をし、学習機能を持ち、店舗での接客や、高齢者の見守りをするといったコミュニケーションができるAI搭載ロボットでしょうか。
それとも、米国のクイズ番組でチャンピオンに勝利するAIや、日本でプロを打ち負かすことができたAIの将棋ソフトでしょうか。
このような、生活からは遠いように感じてしまいがちなAIですが、実はもう生活に根付いていて、何気なく使っています。
例えば、インターネットを使う大半の方が利用する検索エンジンでは、AIが動いています。検索エンジンは、世界中のユーザーの疑問や検索ワードを大量に収集しています。検索エンジンは、それを「学習」し、検索した人のニーズを「推論」します。具体的には、ユーザーが検索ワードを打ち込むと、そのワードを検索する人が興味を持ちそうな別ワードを推論して、一緒に表示します。そこではAIの基本的な機能を活用しているのです。

AIは「学習」し「推論」する

AIとは、コンピューターに知的な活動をさせることを目的とする研究や技術のことです。
人工知能にできることを大きく捉えると、「学習」と「推論」があります。「学習」とは、集めてきた膨大で多様なデータを基に知識を蓄積することです。例に挙げた検索エンジンでは、世界中で打ち込まれる検索ワードを、知識として蓄積していきます。
「推論」とは、その蓄積した知識を用いて、次に同じようなことに出会った時に備えた、新しい対処方法を生み出すことです。
AIは様々な経験により多量の「学習」をして、あらかじめインプットされていない、経験から「推論」した対処方法を生み出し、蓄積していくことを繰り返して成長していきます。

価格が高く、大手企業にしか使えなかったAI

大手通信企業を始め、ネット通販、SNS運営などの企業が、AIを活用して便利な製品やサービスを提供しています。読者の皆さんも、前述した検索エンジンだけでなく、スマホ(スマートフォン)の音声コンシェルジュを使って、自然で軽快な操作を体感しているのではないでしょうか。これらに組み込まれたAIは、ユーザーが使いやすくなるだけでなく、サービス提供側はビッグデータが収集できるというメリットがあります。
一方、AIは中小企業の業務には利用しにくい、高嶺の花でもありました。ビッグデータを扱う機械学習システムの構築には莫大な費用がかかるからです。しかし、この状況を変え、中小企業でもAIを活用できるようにする動きが始まっています。

日本ベンチャーが中小企業向けAIサービスを提供

WEBコンサルティングを手掛ける日本のベンチャー企業は、2015年からWEBのアクセス分析にAIを導入しました。
これにより、1サイト当たり月額コンサルティング料を従来の100分の1の4万円程度に値下げしました。
WEBサイト分析では、ユーザーがWEBサイト内の各ページをどのような順番で閲覧しているのかを調べることが、最も手間のかかる作業と言われています。この分析に以前は5~10日間かかっていたのが、AIであれば所要時間は10分と、驚くほどに短縮できるのです。そのようなAIの強みを活用することで、劇的に利用料金が安くなりました。
低価格化により、コンサルティングの導入に二の足を踏んでいた中小企業の利用が増えています。

米国ではAIでの営業担当者支援が始まっている

昨年9月、米国でAIをインターネット上で動かす仕組みのサービスの提供が始まりました。これまで、インターネット上で大量に収集されるデータを営業活動などに使うためには、データ内容を調べ、解析する特殊な技術の専門家を必要としていました。しかし、そのような人材を確保しなくても、AIを活用できるようになりつつあります。
さらに、従来からあった営業支援やマーケティング支援にAIを組み込むこともできるようになりました。
顧客の電子メールの内容からニーズを分析したり、見込み客を有望客に変える方策を提案したり、さらに見込み客への電子メールの文面を考えたりと、至れり尽くせりの営業支援を展開してくれるのです。

まとめ

AIが誰にでも扱えるものになり、安価に利用できるようになってきたことで、独自で市場調査し、新しい需要を開拓する中小企業が増えてくることでしょう。ベンチャーや中小企業、さらには個人や学生にも、新しいビジネスを展開できる可能性が大きく広がることになるかもしれません。

「ITトレンド」の最新記事

ソリューション・エクスプレスの定期購読をご希望の方はこちら

メルマガ登録