東京オリンピックに向け開発が進む自動運転

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自動運転

2017年08月07日

車に乗り込み、休んでいる間に気付けば目的地に到着、そんな「夢の技術」である自動運転。もう遠い未来のことではなくなりました。安倍首相は近づく東京オリンピックに向けて「2020年には、東京で自動運転車が走り回っている」と宣言し、注目を集めました。

実際に自動運転の技術が、今どこまで進歩しているのか、またわたしたちの日常生活にどんな関わりがあるのか見ていきましょう。

5段階に分けられる自動運転技術

自動運転技術について語られる際によく耳にするのが、「レベル3」「レベル4」といった区分。これは自動車技術者協会(SAE International)が定義したもので、「レベル0」が普通の自動車、「レベル1」が一部の機能が自動化された自動車で、人気のあるブレーキアシスト機能などを搭載の自動車は、このレベル1に分類されます。「レベル2」はレベル1の機能を複数組み合わせた自動車で、例えばブレーキに加えて、ハンドル操作も自動で行うことができる自動車です。同一車線であれば高速道路上で自動走行可能なレベル2の自動車も販売されています。

「レベル3」からが一般的には自動運転と呼ばれ、周辺監視システムを搭載し、基本的な曲がる・走る・止まる操作は自動で行われ、緊急時にのみ運転者が操作する自動車です。「レベル4」になると、地域などの限定条件の中ですが運転手が必要なくなり、緊急時にも自動で危険回避の操作が行われるようになります。そして「レベル5」になると、すべてのシチュエーションで運転者自体が必要なくなり、完全な自動運転になります。

開発が加速する自動運転技術

こうした「夢の技術」の実現に向けて、日本でも開発が進められています。2020年までには大手メーカーから、高速道路上で車線変更まで自動で行う、レベル3の自動運転技術を搭載した自動車が発売される予定です。それが実現すれば高速道路では基本的にハンドル操作が不要になり、長距離ドライブも楽になります。

そして安倍首相の宣言にもあった東京オリンピックまでに目指す自動運転とは、さらに一歩進んだレベル4です。

東京オリンピックで世界に披露を目指す日本の自動運転技術

東京オリンピックまでに目指すレベル4の自動運転で期待されているのが、無人タクシーです。観光客が乗り込みモニターに行き先を伝えるだけで、無人タクシーが目的地まで安全に送り届けてくれるのです。外国人観光客が多く訪れ、世界の注目を集めるオリンピックは、こうした日本の最先端技術をアピールする絶好の機会といえます。

そして2020年までの実現のために、官民一体で開発が進んでいます。例えば、愛知県では2017年夏より、公道での無人運転の実証実験がスタートします。実際に無人タクシーを想定して、自動運転のモニター調査も行われる予定です。また2017年9月には内閣府主導で大手メーカーが参加する大規模実証実験が、首都高や東京臨海地域の一般道で行われる予定です。自動運転車と歩行者の事故低減技術の効果などが検証されます。

自動運転で変わる私たちの生活

こうした自動運転技術の発展は、私たちの日常生活にも大きく関係することでしょう。例えばレベル4の自動運転が全国的に浸透することで、一般道、高速道路ともに交通渋滞が緩和され、交通事故件数の減少も期待できます。また深刻な人材不足が指摘されている運送業界では、有人トラックの後ろを複数の無人トラックが追走し、交通容量を高めることも可能です。また、高齢者や過疎地域の交通手段として利用されれば、日常の買い物や通院での利便性向上も図れます。

このように自動運転技術は、私たちの日常生活を大きく変える可能性を秘めています。

まとめ

官民一体となって開発が進む自動運転技術。市販車にも自動運転機能が搭載されているモデルが多くあります。そしてこれからレベル4の自動運転を目指して、公道実験も進められる予定です。東京オリンピックで世界に日本の技術をアピールするためにも、そして私たちの生活をより便利で安全なものにするためにも、自動運転技術の発展に期待がかかります。

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