次世代通信「5G」で何が変わる?

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次世代通信

2018年03月16日

2018年からサービスが開始されると言われている次世代通信「5G」。現行の4Gとどんな違いがあるのでしょうか。また私たちの生活は5Gによってどのように変わるのでしょうか。

通信サービスの変遷

これまで通信サービスは常に変化と進歩を続けてきました。日本では1979年にアナログ方式の携帯電話サービスがスタートし、1993年にはアナログ方式からデジタル方式の「2G」へと変わります。しかし当時のネットスピードは9.6kbpsと、メールの送受信のみのレベルでした。本格的なモバイル通信が始まったのは2001年からで、日本が世界で初めて「3G」サービスを開始しました。3Gサービスにより高速・大容量のデータ通信が可能となり、これに伴いスマートフォンやタブレットといったデバイスも普及するようになりました。現在はLTEとも呼ばれる「4G」が主流です。理論上は100Mbps以上の速度で通信することが可能で、人口カバー率も99%を超え、サービス当初にあった“つながりにくさ”も解消されています。

そして、2018年1月に米国で開かれた世界最大の家電見本市「CES」で重要なテーマとなったのが次世代通信規格である「5G」です。

5Gは次世代に必須のインフラ

「LTEより100倍高速」と言われる「5G」ですが、単にこれまでの通信サービスの変遷のように、通信を高速化・大容量化するためのものだけではありません。私たちのこれからの生活のために必須のインフラと言えます。

以下で「5G」の特徴をご紹介します。

(1)超多数端末接続
「5G」は現行LTEの100倍にあたる、1平方キロメートルに約100万台の接続をサポートできます。モバイル端末やIoTデバイスはこれから爆発的に増加することが見込まれており、全ての端末をインターネットに接続するためには5Gサービスが必須となります。例えばIoTデバイスが2020年には5000億台に達すると見る専門家もいて、IoT化が進むと、自宅部屋内だけでも約100個の端末・センサーがネットに接続される可能性があります。すでに自宅のリビングだけを見ても、テレビやスピーカー、空気清浄機、エアコン、カーテン、照明、マルチリモコンなど、あらゆるものにIoTが搭載され始めています。さらに爆発的にIoTデバイスが増加すると、現状の4Gのインフラでは、すぐに端末過多となり対応できなくなります。

(2)超低遅延
ネットワークには必ず遅延(※)が発生します。現行LTEの遅延は50ミリ秒ですが、5Gの場合は1ミリ秒と、LTEと比べて約50分の1という超低遅延な特徴を持ちます。この差が重要になってくるのが車の自動運転です。例えば4G通信を利用した通信制御の自動運転プログラムの場合、100km/hで走行中に危険を察知して停止するよう指示が出てから、実際に停止動作に入るまでの間に車は1.4mも進んでしまいます。この誤差は命に関わる可能性のある距離です。しかしこれが5Gなら誤差は2.8cmになり、許容範囲と言えます。このように自動運転が世界中で普及するためにも5Gは必須のインフラなのです。

※遅延…送信してから受信するまでにかかる時間

(3)高速化・大容量化
すでにご紹介しましたが、5GはLTEの100倍にあたる10Gbps以上の速度での通信が可能です。過剰な速度にも思えますが、私たちの身の回りのデータも大容量化が進んでいます。例えば、一昔前のフルHDで録画された動画データ(30分)は約4GBでしたが、最近話題となっている8Kの場合、同じ30分の動画データで約500GBにもなります。こうした大容量のデータをストレスなく送受信するためにも5Gは必要不可欠と言えます。

5Gの課題に取り組む技術開発

5Gは期待される通信スピードを達成するため、高周波数帯の利用が予想されていますが、高周波数帯は直進性が高く、建物や樹木などの遮蔽物の影響を強く受けるデメリットを持ちます。しかし、こうした課題解決のためのビームフォーミングなどの技術開発も進んでいます。ビームフォーミングとは、電波を特定の方向へ向けて細く絞り、集中的に発射する技術のことで、基地局と端末間の電波干渉を減らしたり、より遠くまで安定して電波を供給したりするのに役立ちます。

まとめ

進歩を続けてきた通信サービスですが、次世代の5Gに関しては高速化・大容量化だけでなく、あらゆるものがインターネットにつながるIoT化の進んだ社会やあらゆる車の自動運転化の実現のために必須なインフラとも言えます。こうした通信サービスの進歩で、私たちの生活がより一層便利になることが期待されます。

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