【配車アプリの最新トレンド】大手タクシー会社の空車が集まってくる新サービス

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配車アプリ、IT活用事例、クラウド

2018年05月14日

宴会が終わり、外に出たところでスマートフォンを振ると、空車タクシーが集まってくる。こんな新たなアプリケーションを大手タクシー会社が始めました。これまでの配車アプリケーションとは何が違うのか、どんなメリットがあるのかに注目します。

スマートフォンを振ると空車タクシーが集まる

スマートフォンのアプリケーションストアで「タクシー」と検索すると、タクシー会社の名前がズラリと並びます。ただし機能面は基本的には同じといえます。スマートフォン上で場所と時刻を指定すると、配車してくれるというものです。顧客は乗車料金に加えて、迎車料金も支払う必要があります。

そんな中で斬新な配車サービスを始めたタクシー会社があります。これまでの配車アプリケーションと何が違うのでしょうか。
一番の違いはこれまでにない“ゆるーい”マッチングです。
顧客がスマートフォンからアプリケーションを開くと、半径約500m以内にいる空車タクシーが地図上に表示されます。顧客がスマートフォンを振ると、タクシーに搭載されているカーナビに通知が表示され、空車タクシーが集まってくるのです。ただし、配車予約ではないので、他のタクシー会社アプリケーションのように迎車料金は不要です。また、待っている間に別のタクシーが運よく通りかかればそちらに乗ってしまっても問題ありません。反対に、空車が近くにいたとしても自分のところへ向かってくる前に、別の利用者に横取りされてしまう可能性があることもあることからも、“ゆるーい”マッチングであると言えるでしょう。

一見すると利用者にはメリットがあるものの、タクシー会社にとってはデメリットしかないようなサービスに思えますが、IT技術の活用により、タクシー会社にも実はメリットがあるのです。

需要情報を共有化するタクシー会社のメリット

空車タクシーに通知が入り顧客のいる場所に向かっても、その顧客が他のタクシーに乗ってしまえば、利益は発生しません。しかし予約を受けての迎車は全体の利益の1割ほどで、残りの9割の営業利益は道で顧客を見つけるいわゆる“流し”です。そのためアプリケーションで迎車料金を取らなくても、売上に与える影響はそこまで大きくないのです。何よりも、顧客のアプリケーション利用によって、タクシー会社は「この場所で、この時間にタクシーを必要とした人がいた」という需要情報を得ることができます。

また、国土交通省の資料によると、タクシーの利用者は平成元年と比べて半分以下に減少しているにも関わらず、タクシーの車両数はほぼ平成元年から横ばいです。そのためライバル社とは顧客の奪い合いとなっています。

そこで、同アプリケーションを展開するタクシー会社では、クラウドサービスを利用することで、全3,300台のタクシーが常に通信しながら需要情報を共有できます。
すると、これまで熟練ドライバーだけが持っていた経験的な知識を、ITの力を使って全員で共有することができるのです。こうしてより稼働率を高め、顧客のニーズに合ったサービスが提供可能となります。またこうした“ゆるーい”マッチングで、今までタクシーをあまり利用しなかった層の顧客が増えることも期待できます。

まとめ

ITを利用し、他社とは違うユニークなサービスを提供し始めたタクシー会社のように、常に進化を続けるITをどのように活用していくかが、競争が激しい各業界の中での生き残りのカギを握っているといえるのかもしれません。

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