株式会社土屋鞄製造所様　導入事例

株式会社土屋鞄製造所様 ランドセルページ（別窓で開く）

工房のものづくりをデジタル化するとは、具体的にはランドセルのものづくりを生産管理システムの品目構成に落とし込み、製造工程を可視化し一元管理できることでした。
色々な生産管理システムを見て、BOMの構成情報がどのように展開されているか検討した結果、 Factory-ONE 電脳工場MFの品目構成が最も弊社のイメージに合っていました。
予想通り、今まで手作業で行っていた手配や工程を積み上げて品目構成を組みやすく、今ではものづくりに必要な手配作業をシステムに落とし込むことができました。

弊社の伝統的なものづくりを支える経験豊富な職人達に、生産管理システムの必要性を理解してもらい、製造に必要な情報を整理するまでには大変な苦労が伴いました。
また、ほとんどの職人の方々は作業の時はPCやスマホを持っていませんし、PC操作などは不慣れな方も多いです。今までやり慣れてきたことを変更するだけでも大変ですが、更にシステム化ということでネガティブに受け取られる場面も多く、受け入れてもらうことに苦労する場面がしばしばあったのも事実です。
最近は、工程や手配の見える化を実現できたことで、実際にデジタル化の恩恵を体験できるようになり、それが積極的にシステムを利用する動機付けにもなってきており、良い循環が生まれてきています。

弊社の製品は、多くのお子様がお気に入りを見つけられるよう様々なSKUを用意しています。
また、ランドセルは150以上のパーツを使用し、300工程を超える作業を職人が行うため品目構成と工程管理のデータを準備するのは容易ではありませんでした。
更に、工房系ランドセルでは珍しく、毎年既存SKUの改良や新色の追加を行うため、メンテナンスが必要不可欠であり、品目構成にミスがあると材料の手配から間違えてしまい、入学までにランドセルをお届けできない可能性があるのでものすごく神経を使う作業です。
むしろきちんと品目構成ができればミスなく計画を立てられるため、今ではなくてはならない存在になっています。
（SKUとはStock keeping Unitの略語で、受発注や在庫管理の分野で最小の品目数を数えるための単位です。）

製品に使う革や金具は、原材料調達リードタイムが非常に長いのが特徴で、１年前から来年発売するランドセルの原材料調達を行う必要があります。
システム導入前は前年度の販売状況などから予測した数量で発注をしていましたが、前述の通り多くの種類の部材が必要なため、繰越し在庫を加味した発注などが困難で、過剰発注してしまうなどコスト的には望ましくない状況になっていました。
現在は、誰が・いつ・どこに・いくつ発注したか、全ての情報を一元的に管理できるようになったので、繰越在庫を加味した発注や原材料毎のリードタイムが可視化されたため、適切な購買活動ができています。
特に、発注照会等の照会機能が非常に使い勝手が良く、担当者が必要な時に、必要なデータを確認できるので、変更や修正等の意思決定に必要な時間も短縮できました。

原材料の棚卸も楽になり、また工程毎の在庫も見える化できるようになった結果、無駄なものをつくりすぎない生産効率の良い工房になってきました。
今後は、Factory-ONE 電脳工場MFを活用し、更に環境に配慮したサステナブルな生産を行いたいと考えています。
もともと牛革をはじめとした天然皮革は食用の副産物として再利用していますが、お手入れをすることで何十年と永く使っていただける素材です。
ランドセルは在学中の修理保証を通じて安心してお使いいただき、卒業後のリメイクサービスで生まれ変わった製品をご愛用頂けるということで、多くのお客様にご好評頂いております。
弊社はこれからも、お客様にも環境にも寄り添うサービスの提供を目指して参りたいと考えております。

生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場MF」は、3つの生産形態に対応したラインアップとなっており、個別受注生産に対応した「製番管理版」、繰返受注生産に対応した「MRP版」、個別受注生産と繰返受注生産の両方に対応した「ハイブリッド版」があります。金属製品、機械器具、電気機械器具、輸送用機械器具、精密機械器具など、適応業種は様々です。
当社は、 電脳工場のメーカー認定技術者試験に合格した「認定技術者」の保有数が、パートナー企業内トップクラスです。導入に際してはお客様専任の認定技術者が担当し、お客様に対して生産管理システム導入のフィット＆ギャップを行います。
導入後の運用サポートは、自社にコールセンターを完備しており、営業・システムエンジニア（認定技術者）・インフラエンジニアの三位一体によるワンストップ体制でお客様をサポートします。問題解決のみならず、より効果的な運用支援や改善提案をさせていただきます。