細谷火工株式会社様　導入事例

以前の基幹系システムは、生産管理は他社パッケージを使用し、更に資材調達等は別の手作りシステムを使用していたために、データの分散と重複入力が発生し、効率が良くないシステムになっていました。
そこに、システムのサポート切れと最新版のクライアントOSに対応できない問題等が重なり、思い切ってシステムの全面的な更新に踏み切りました。
選定の基準は、製販一体システムであることと、データベースの活用が容易であることを最優先に検討し、複数社からのコンペの結果、使いやすさとコストパフォーマンスも含め、最も優れた評価となった、 Factory-ONE 電脳工場MFを採用し導入に至りました。

Factory-ONE 電脳工場MFのデータベースからODBC経由でデータを抽出し、使い慣れたツールで管理資料等の作成を行うことで、作業時間が大幅に短縮できました。
これまでは、必要なデータがそれぞれのシステムに分散しており、集計作業以外にもデータの整合性等のチェックも行わなければならず、非常に面倒な作業から解放されました。
また、オープンなデータベースという特長の通り、各ファイルのテーブル情報が公開されており、必要な情報を簡単に取り出すことができるので、データの有効活用に役立っています。

これまではバラバラのシステムになっていたので、月次の締め処理において、各システム毎にデータのヌケ・モレのチェックや修正による手戻りの発生が頻繁に発生していたため、処理完了までに非常に多くの日数がかかっていました。
Factory-ONE 電脳工場MFでは、データが一気通貫で処理でき、かつ利用できる端末も増え、今までの半分以下の長くても２～３日以内で月次の決算業務が完結するようになりました。
この結果、経営陣へもタイムリーに決算データを提供できることになったため、現場の見える化によって、トップの意思決定のサイクルが速く回るようになったことを実感しています。

導入の際に苦労したところは、やはりマスタの整備作業です。旧システムから約1万点の品目データを移行するために、社内で変換プログラムを作成し、CSVでデータの流し込みを行うためにデータの精査とメンテナンスに手間をかけました。なぜなら、当社の生産品目は防衛省への納入品も多く、秘匿性が高いので、外注作業者を利用したデータ入力等は行えず、コード体系の変更等を含めて、全ての作業を二人の担当者で完遂しました。
更に、原価集計等については、最適な結果を得るために設定の見直しを繰り返し行い、約半年ほど担当SEとも試行錯誤を繰り返した結果、ようやく満足できるレベルになりました。

正確な原価管理を実現するためには、在庫数量の精度アップが急務でした。
そのため、原材料及び製品の入出庫には特に気を使い、理論在庫と実地棚卸の誤差を減らすために、HYPERSOL WMSを採用し、二次元バーコードによる現品票を使用した入出庫業務を行うことで、業務の効率化と在庫精度の向上を実現しました。
また、アドオンで原価集計を行う機能も実装し、的確な予実管理を行うことで、生産性の効率向上と収益の向上にも役立っています。
加えて、今回からロット管理機能も実装しており、お客様からの問合せに対しても迅速かつ正確に回答できるようになり、顧客満足度の向上に役立っています。

当社の製品は許認可制の品目が多く、原材料の高騰を簡単には価格へ転嫁することができませんので、更なる製造のコストダウンを目指して間接工数の削減に取り組んでいます。
まずは、現状の正確な把握を目指し、紙の作業日報からタブレットを使用した入力に変更し、入力内容の精度アップと集計のリアルタイム化を推進しています。
今後は蓄積したデータを分析し、より効率的な工程計画の改善や、進捗の見える化によるムリ・ムラ・ムダの削減に役立てていきたいと考えています。
また、当社では防衛省向けの秘匿性の高い品目も多いため、更なる運用セキュリティーの強化を検討しており、MDSOLにも相談しながら環境の強化を進めて行きたいと思います。

生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場MF」は、3つの生産形態に対応したラインアップとなっており、個別受注生産に対応した「製番管理版」、繰返受注生産に対応した「MRP版」、個別受注生産と繰返受注生産の両方に対応した「ハイブリッド版」があります。金属製品、機械器具、電気機械器具、輸送用機械器具、精密機械器具など、適応業種は様々です。
当社は、 電脳工場のメーカー認定技術者試験に合格した「認定技術者」の保有数が、パートナー企業内トップクラスです。導入に際してはお客様専任の認定技術者が担当し、お客様に対して生産管理システム導入のフィット＆ギャップを行います。
導入後の運用サポートは、自社にコールセンターを完備しており、営業・システムエンジニア（認定技術者）・インフラエンジニアの三位一体によるワンストップ体制でお客様をサポートします。問題解決のみならず、より効果的な運用支援や改善提案をさせていただきます。